としての強み
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
ラボで大量の微生物の培養を行っても、液体のままでは保存や輸送のコストが高くなりやすく、製品化には不向きなケースが多々あります。サプリメントや飼料、農業資材など、微生物をビジネス展開するためには粉末化(製剤化)が重要なポイントになります。
こちらの記事では、粉末化の2大手法”凍結乾燥(フリーズドライ)”と”スプレードライ(噴霧乾燥)”の仕組みや違いについて比較・解説します。
ここでは、微生物の粉末化における2大技術の仕組みや特徴を紹介します。自社の製品や対象となる菌の性質に合わせた手法を選ぶための参考にしてください。
微生物を含む液体を凍結させ、真空状態で水分を直接気化(昇華)させながら乾燥させる手法です。熱を加えないため、微生物へのダメージが少なく、生存率を高く保ちやすいという特徴があります。
この手法は、熱に弱い菌種やタンパク質、医薬品などの成分を変性させることなく長期保存できる技術として、幅広い分野で用いられています。低温・真空下で処理が行われるため、繊細な対象物へのダメージを最小限に抑え、その構造や生体活性を維持しやすい点が大きなメリットです。熱に敏感な製品や付加価値の高いサプリメント原料などに適しています。
デメリットは、スプレードライと比較して処理時間が長く、量産性が低い点です。事前の凍結工程や真空状態の維持が必要なため、バッチ式(一度に決められた量ずつ処理する方式)での生産となり、生産スピードが制限されます。
また、専用の設備導入費や長時間稼働による電気代などのランニングコストがかさみやすく、最終的な製品の製造原価が高くなりやすい傾向にあります。
微生物を含む培養液を高温の熱風中へ霧状に噴霧し、瞬時に水分を蒸発させて粉末にする手法です。均一で流動性の高い粉体を連続的に製造できるため、短時間での大量処理が可能であり、量産に向いています。
この手法のメリットは、連続運転により大量の液体原料を短時間で乾燥粉末化し、量産時の単位コストを大幅に抑えられる点です。噴霧された微細な液滴は熱風との接触効率に優れており、極めて速いスピードで乾燥が完了します。
また、粉末化によって水分活性が低下するため保存安定性が向上し、体積・重量の減少により輸送や保管のコスト削減にもつながります。
懸念点は、熱による微生物の死滅・活性低下のリスクです。熱風に直接触れるため、熱に弱い菌種や成分には適さないケースがあります。
また、量産時の単位コストは安いものの、装置を稼働させるための熱エネルギー消費量が大きく、ある程度まとまったロットでの生産でなければコストメリットが出にくい(小ロット製造には不向きである)という側面もあります。
微生物の粉末化において、「どちらの技術が絶対的に優れているか」という単一の正解はありません。製品の用途、許容できる製造コスト、そして対象となる菌の性質(耐熱性など)によって適切な選択肢は異なります。以下の比較表を参考にしながら、自社のプロジェクトに合った手法を検討してください。
| 項目 | 凍結乾燥(フリーズドライ) | スプレードライ(噴霧乾燥) |
|---|---|---|
| 乾燥のメカニズム | 凍結状態から真空下で水分を昇華 | 高温の熱風中に噴霧し瞬時に水分を蒸発 |
| 熱のダメージ(生存率) | 極めて少ない(生存率を高く保ちやすい) | 大きい(熱による生存率低下のリスクあり) |
| 生産スピード(量産性) | 遅い(バッチ式で時間がかかる) | 非常に速い(連続処理が可能で大量生産向き) |
| 製造コスト(量産時) | 高い(設備費・電気代・時間がかかるため) | 安い(量産効果が高く、単位コストを抑えやすい) |
| 適した菌種の例 | 熱に弱い菌、ビフィズス菌、高単価なサプリメント原料など | 熱に比較的強い菌(一部の乳酸菌や枯草菌)、飼料用・農業用など |
微生物の粉末化工程において、生存率を高く維持するためには技術的なハードルが存在します。現場で直面しやすい主な課題を解説します。
どちらの乾燥手法であっても、培養液をそのまま乾燥させると微生物は大きな環境ストレスを受けて死滅するリスクがあります。それを防ぐため、糖類(トレハロースなど)やタンパク質といった”保護剤”を添加するのが一般的です。ただし、菌種によって適切な保護剤の種類や配合比率は異なるため、対象に合わせた高度なノウハウが必要となります。
ラボの小型乾燥機でうまくいった条件が、工場の大型機でそのまま通用するとは限りません。特にスプレードライでは、チャンバー(乾燥室)内の熱の偏りや噴霧ノズルの仕様変更によって乾燥ムラが生じることがあります。工場規模へスケールアップした途端に、菌の大半が死滅してしまうといったトラブルが起こる可能性も考慮しなければなりません。
このような専門的な課題を解決するため、粉末化工程を微生物受託会社へ委託する企業が増えています。主なメリットは以下の通りです。
多種多様な菌の製剤化実績を持つ受託会社は、「この菌種なら、この保護剤を〇%添加すればスプレードライでも生存率を保てる」といった蓄積された知見を有しています。専門企業へ依頼することで、自社で試行錯誤する時間を大幅に省き、目的やコストに見合った最適な手法を選択しやすくなります。
凍結乾燥機やスプレードライ機など、工場スケールの製造設備を自社で導入するには数千万円から億円単位の投資が必要です。受託会社へ委託することで、多額の初期投資リスクを回避できます。必要な生産量に合わせてプロの製造ラインを活用できるため、事業フェーズに合わせたスケールアップが可能です。
培養と粉末化を異なる工場で行うと、輸送中の温度変化などにより菌の活性が低下してしまうリスクがあります。培養から粉末化(製剤化)までをワンストップで対応できる受託会社を選ぶことで、菌へのストレスやロスを最小限に抑え、高品質な製品を安定して製造しやすい環境を整えられます。
微生物ビジネスにおいて、生存率を維持したまま粉末化する製剤化は、製品の価値を左右する重要な工程です。量産コストを重視してスプレードライを選ぶか、生存率を重視して凍結乾燥を選ぶかは、菌の性質と保護剤などのノウハウによって総合的に判断されます。
以下のページでは、培養から製剤化(粉末化)まで一気通貫で対応できる受託会社や選び方のポイントを紹介しています。今後の事業化に向けたステップとして、ぜひあわせてご覧ください。
増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!
食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。
ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。
2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。

食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。
また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。

有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。
培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。
精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。

60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。
植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。
また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。
選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。
①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか
上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。