としての強み
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
自然界から有用な微生物を発見しても、実験室の汎用培地では増殖しないケースは珍しくありません。実際、地球上に存在する微生物の約99%は、現在の技術では純粋分離や培養が困難な”難培養微生物”とされています。
一方で、次世代シーケンサーの発展により、難培養微生物の中に多様で有用な機能を持つ未知の微生物が数多く存在することが明らかになってきました。本記事では、この難培養微生物を培養するためのアプローチや、自社での培養が難しい場合の選択肢について解説します。
難培養微生物の中には、一般的な汎用培地に含まれる炭素源や窒素源を利用できないものが存在します。また、マグネシウムや鉄などの微量元素が極めて特異的な濃度でしか機能しない場合もあり、わずかな過不足が増殖停止につながります。そのため単に栄養を追加するだけでは、生育に必要な精密な条件を満たせず増殖できないことがあります。
自然界では、多くの微生物が単独ではなく、他の微生物と助け合いながら生きています。例えば、他の微生物が作り出す成長因子や、金属イオンを利用しやすくする物質に頼っている場合があります。こうした関係が断たれた人工培地では必要な成分が得られず、単独では増えられないことが起こります。
微生物にとって必要な栄養成分であっても、初期濃度が高すぎると浸透圧ストレスや代謝阻害を引き起こし、かえって増殖を阻害してしまうことがあります。特に増殖初期の細胞は環境変化に弱いため、適切な濃度勾配の維持や段階的な栄養供給を行わないと、増殖が開始されないケースがあります。
ここでは、難培養微生物の培養を実現するための代表的なアプローチについて解説します。
通電培養は、培地中の無機物の酸化還元状態を電気的に制御し、微生物に必要なエネルギー源を安定供給する手法です。例えば、鉄イオンが高濃度で毒性を示す鉄酸化細菌などの培養において、電極を用いた酸化還元反応によってイオン濃度を適切にコントロールします。これにより、初期の増殖阻害を抑えつつ生育環境を安定化させ、閉鎖系での高密度培養を目指します。
培地の物理化学的性質を見直すことも重要なアプローチです。例えば寒天の代わりにジェランガムを用いると、不純物の影響が減り、より再現性の高い環境を構築できます。このアプローチで、古細菌や放線菌など従来培養が難しかった微生物の分離に成功した例があります。また、特定の金属カチオンや他菌の培養上清を添加して自然界に近い条件を再現することで、増殖が著しく促進されるケースもあります。
宿主細胞内でのみ増殖する絶対活物寄生性の微生物などでは、細胞内環境そのものを人工的に再現するアプローチがとられます。具体的には、イオン濃度やpH、代謝中間体の供給などを精密に制御した環境を構築します。これを維持するためには、高度な環境制御装置を備えた連続培養システムが必要になります。
培養のアプローチが判明していても、自社の設備で再現し、さらにスケールアップを行うにはさまざまな課題が伴います。ここでは、自社で難培養微生物を培養する際のハードルについて解説します。
難培養微生物の培養では、単に培地条件を整えるだけでなく、培養中の環境を極めて精密に維持する必要があります。通電培養や細胞内環境を模した厳密な培養を行うには、pH、溶存酸素、酸化還元電位、さらには微量栄養素の濃度までをリアルタイムで監視・制御する高度なシステムが不可欠です。これらは相互に影響し合うため、わずかなズレでも全体のバランスが崩れます。特に難培養微生物は環境変動に敏感であり、条件が逸脱すると増殖が停止してしまうこともあるため、安定運用には高度な技術と設備が求められます。
難培養微生物では、どの微量元素が必須か、どのゲル化剤や共生因子が有効かといった条件を一から特定する必要があり、膨大な組み合わせの検証が求められます。培地成分や培養条件を少しずつ変えながら探索するため、分離培養の確立だけで数年を要することも珍しくありません。その結果、研究リソースの多くが条件検討に費やされ、微生物が持つ機能の評価や製品化の段階に進めないまま停滞してしまうケースがあります。
自社での培養条件検討や特殊設備の導入に限界を感じた場合、高度な専門性を持つ微生物受託培養会社へ委託することは、非常に有効な選択肢です。ここでは、微生物受託培養会社を活用する主なメリットをご紹介します。
微生物受託培養会社は、これまでに多様な菌種、とりわけ難培養性微生物を扱ってきた実績とノウハウを蓄積しています。そのため、菌の特性に合わせた微量元素の添加や適切な培養手法の選定など、初期段階での判断精度が高く、的確なアプローチが可能です。自社でゼロから条件探索を行う場合に比べ、試行錯誤にかかる時間を大幅に削減でき、培養成功までのリードタイム短縮が期待できます。
自社で高額な設備投資を行うことなく、精密な環境制御システムを利用できます。例えば、高度なセンサーを備えたジャーファーメンターや連続培養装置により、pHや溶存酸素、酸化還元状態などを厳密に管理した培養が可能です。難培養微生物に求められる「極めて安定した培養環境」を、自社で多額の投資リスクを負わずに活用できる点は大きな利点であり、開発のスピードアップや成功確率の向上につながります。
難培養微生物の条件探索は膨大な手間と時間を要しますが、これを受託培養会社に委ねることで、自社の限られた人材や設備といった貴重なリソースを効率的に活用できます。培養のプロフェッショナルに任せることで、自社は微生物が持つ有用機能の解明や製品用途の開発といったコア業務に専念できます。結果として、研究開発の全体プロセスが最適化され、開発期間の短縮やコスト削減、ひいては事業化に向けたスピードの向上が期待できます。
難培養微生物の培養には、栄養条件だけでなく共生関係や精密な環境制御の再現が不可欠であり、高度な技術と長期的な試行錯誤が求められます。しかし自社でこれらを実現するには設備投資や時間的負担が大きく、開発の停滞要因となり得ます。
そこで活用したいのが、受託培養会社(CDMO)です。専門会社の豊富な知見と高度設備を活かし培養を効率化すれば、自社は機能解明や用途開発に集中できます。これにより、開発期間の短縮と事業化の加速が期待できるでしょう。
以下のページでは、微生物培養の受託会社と選び方のポイントを紹介しています。あわせて参考にしてください。
増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!
食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。
ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。
2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。

食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。
また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。

有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。
培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。
精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。

60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。
植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。
また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。
選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。
①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか
上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。