としての強み
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
精密発酵技術とは、微生物を「小さな工場」のように活用し、特定のタンパク質や栄養成分をピンポイントで生産する技術です。例えば、従来は牛や鶏から摂取していた乳タンパク質や卵白タンパク質などの成分を、微生物に肩代わりして生産してもらう技術です。
この技術は、世界的な食料問題や環境負荷の低減を解決する手段として、特に「代替タンパク質」の分野で大きな注目を集めています。ここでは、精密発酵の仕組みや従来の発酵との違い、具体的な開発例について詳しく解説します。
精密発酵は、微生物の代謝機能を高度に制御することで、特定のタンパク質や脂質、香料などの高付加価値成分を生成する技術です。従来の発酵が「食品の加工」を主目的としていたのに対し、精密発酵は「特定の物質の製造」というバイオものづくりの新たなステージへ進化しています。
現在、精密発酵が期待されている領域の一つが「代替タンパク質」の製造です。代替タンパク質とは、食肉や卵、乳製品などの動物性タンパク質の代わりに、植物や微生物などを活用して作られる新たな食品の総称。
微生物の力を借りて作られた「乳製品ではない乳タンパク質」などはその代表例であり、代替タンパク質や、自然界では抽出が難しい希少成分の効率的な生産手段として期待されています。
また、この技術は食品分野にとどまらず、医薬品分野でも長年活用されてきました。例えば、遺伝子組換え大腸菌によるヒトインスリンの製造や、チーズ製造に不可欠な酵素「キモシン」の生産などが挙げられます。今後、医薬品、化粧品、素材産業など、さまざまな産業へ応用が広がり、市場規模はさらに拡大していくと考えられています。
従来の発酵(伝統的発酵)では、微生物全体の代謝活動を利用して、食品の風味を豊かにしたり保存性を高めたりします(例:大豆から納豆、牛乳からヨーグルトなど)。それに対して精密発酵は、微生物に特定の成分を作るための「設計図(遺伝子)」を組み込み、狙った特定の成分だけを集中的に作らせる技術を指します。
精密発酵は、必ずしも「食品そのもの」を一から作るわけではありません。微生物を用いて、食品の構成要素となる特定の機能性成分を生成させる技術です。作りたい成分の遺伝子情報を微生物(酵母やカビ、大腸菌など)に導入して培養することで、微生物が細胞内の工場として、特定のタンパク質やフレーバー分子、酵素、ビタミン、油脂などを効率よく生成します。こうして作られた成分を抽出し、他の原料と組み合わせることで、本物に近い味わいや機能を持つ代替タンパク質食品が完成します。
ヒトの母乳には、乳児の免疫維持等に寄与する「ヒトミルクオリゴ糖(HMO)」と呼ばれる独自の栄養成分が含まれています。しかし、HMOは構造が複雑で、従来の粉ミルクに配合するための大量生産が困難でした。この課題に対し、キリングループの協和発酵バイオとキリン中央研究所は、精密発酵を活用した独自製法でHMOの量産化に成功しました。
HMOを化学合成で製造する場合、工程が非常に複雑で多額の費用を要しますが、発酵生産は工程をシンプルに抑えることが可能です。HMOを生産する能力を持つ菌株に、エサとなる糖類や培地を与えて適切に培養することで、高純度な成分を効率的に生成できる技術として注目されています。
※参照元:キリンホールディングス公式HP (https://rd.kirinholdings.com/domain/result/story_015.html)
山形県を拠点とするSpiberは、独自の精密発酵技術を用いて、クモの糸を模した構造タンパク質をはじめ、次世代のプロテイン素材開発を推進しています。同社は、動物性原料や従来の農業に過度に依存せず、微生物による発酵を通じて機能的な食品用タンパク質を創出する取り組みに注力しています。
例えば、ゲル化剤や結着剤、乳化剤としての機能を持つ食品原料や、アレルゲンフリーのタンパク質、特定の栄養価を高めたカスタマイズタンパク質などの開発にも着手。これらの取り組みは、代替タンパク質食品のみならず、飲料やペットフード、機能性素材といった幅広い分野での応用が進むことを期待されています。
※参照元:Spiber公式HP (https://spiber.inc/ja/news/shaping-the-future-of-food-proteins-through-precision-fermentation)
米国では研究・開発が盛んに行われており、食経験のない食品の安全性に関しては各国で独自の規制が設けられています。国内でも精密発酵の研究・開発は増えていますが、「どのような成分を、どのくらいの純度で、どの程度の量を作りたいか」によって選ぶべき会社は変わります。
以下のページでは微生物培養の受託会社と選び方のポイントを紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!
食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。
ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。
2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。

食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。
また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。

有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。
培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。
精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。

60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。
植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。
また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。
選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。
①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか
上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。