としての強み
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
日本酒や味噌、ヨーグルトなどの発酵食品から、最新の健康食品まで、私たちの食生活は微生物の働きによって豊かに支えられています。微生物ゲノム解析は、これらの目に見えない小さな生物の能力を最大限に引き出し、食の未来を切り拓く技術です。
ゲノム、すなわち生命の設計図を読み解くことで、微生物の持つ可能性を深く理解し、より安全で美味しい食品づくりに活かすことができます。
本記事では、微生物ゲノム解析によって明らかになる事象について、食品分野の具体例を交えて紹介し、解析を成功に導くために重要なポイントについて解説します。
ゲノム情報からは、食品開発につながる微生物のさまざまな姿が浮かび上がってきます。ここでは、微生物ゲノム解析によって明らかになる事象について解説します。
例えば自社で製造している飲料や食品の味の要となる酵母や乳酸菌について、微生物ゲノム解析により目的の菌株であること、他の菌に置き換わっていないことをDNAレベルで正確に特定できます。正確な種の同定は、伝統的に受け継がれている食品のブランド価値を守るために求められる、品質管理の根幹ともいえる部分となります。
ゲノム情報の中から、「食品の味」「香り」「機能性」に関連する遺伝子を探し出せます。例えば下記のような目的で利用できます。
微生物ゲノム解析によって上記のような情報を特定でき、その情報を製品開発や品種改良などに役立てられます。
ゲノム全体の解析により、菌の個性について把握できます。この個性とは、対象となる微生物が好む環境や、微生物の働きなどの代謝経路などを指します。このような情報を理解することによって発酵プロセスを最適化し、理想とする風味や機能性を持った食品の安定生産を行うためのヒントを得られます。
ゲノム解析は、菌株の改良を行う際にも用いられます。この場合、複数の近縁な微生物が持つゲノム情報の比較を行うことにより、それぞれが持っている特徴を明らかにします。例として、遺伝子レベルにて「A社の乳酸菌が酸味が穏やかな理由」や「B社の酵母が高いアルコール耐性を持つ理由」など、それぞれの特性の違いについて遺伝子レベルで解明できます。このような情報は、より優れた特性を持った菌株の開発において、重要な知見になります。
微生物ゲノム解析には以下のような手法があり、それぞれ使い分けが行われています。
食品分野において解析を行う場合、シーケンサーの性能ではなくその前段階に成否を分ける最大の鍵があります。
成否を分ける鍵は、解析対象となるサンプルの質です。どれだけ高性能な解析装置を使用しても、出発点といえるサンプルの質が悪い場合、信頼できるデータを得ることは困難です。特に、食品分野におけるサンプルの質は、データ精度に加えて製品の品質や安全性に直結します。
高品質なサンプルを得るためには高度な培養技術が不可欠で、そのポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
このように、菌株の取り扱いには注意が必要となります。特に自社での培養が難しい菌株の場合や、厳密な品質管理が必要となる場合には、培養の専門家に相談することが最終的にブランドを守り、優れた製品の開発にもつなげられます。
微生物ゲノム解析は、現在は基礎研究だけの技術ではなく、食品分野でも活用されています。
食品分野において微生物ゲノム解析は、伝統の味を守る品質管理であり、新しい価値の創造につながる開発ツールでもあります。このツールの性能を最大限に引き出すには、出発点となる微生物培養の技術が不可欠であり、正確に設計図(ゲノム)を読み解くための高品質なサンプル調製や、最大限に能力を引き出すための安定培養・大量培養が必要になってきます。
その根幹を支えている専門的な微生物培養技術は、現在は自社のみで行う時代から信頼できるパートナーと連携し、外部リソースを戦略的に活用する時代に移り変わっています。以下のページでは、微生物培養受託会社と選び方のポイントを紹介していますので、あわせてご覧ください。
増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!
食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。
ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。
2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。
また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。
有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。
培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。
精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。
60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。
植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。
また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。
選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。
①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか
上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。