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プロバイオティクス食品やサプリメントの開発

プロバイオティクスは腸内環境や免疫機能への作用が注目され、食品・サプリメント業界での需要が高まっています。自社での製造が難しい場合でも、培養受託会社の活用により製品化ができます。

当ページでは、プロバイオティクス製品開発における培養技術の重要性や、受託会社に依頼するメリットについて解説しています。

プロバイオティクスとは

プロバイオティクスは、腸内環境のバランス調整などを通じて人の健康に好影響をもたらす「生きた微生物」のこと。食品やサプリメントなど、幅広い分野での活用が進んでいます。

プロバイオティクスの条件

以下の条件を満たすことが科学的に証明された場合に限り、その菌株をプロバイオティクスということができます。

プロバイオティクスを含む食品の例

ヨーグルトや乳酸菌飲料、キムチ、納豆などがよく知られています。最近ではサプリメントや粉末タイプの商品など、用途に応じた多様な形で提供されています。

今後も伸びるプロバイオティクス市場

免疫・腸活ブームが支える圧倒的な市場成長予測

世界のプロバイオティクス市場は、2027年に9448億米ドル規模に達すると予測されています。

市場正常の背景は、腸内環境の改善や免疫力向上などの健康への関心の高まりです。今後ますます日常的にプロバイオティクス食品を取り入れる人は増加すると見込まれています。

参照元:FORTUNE「栄養補助食品/プロバイオティクス市場」(https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/%E6%A5%AD%E7%95%8C-%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9%E5%B8%82%E5%A0%B4-100083)

予防医療・高齢化社会で進む日常的摂取ニーズ

健康志向の高まりに加え、消化器系の不調や免疫低下を意識する高齢層の増加が、プロバイオティクス製品の需要を支えています。特に日本国内では、予防医療を重視する生活スタイルへの注目などがプロバイオティクスの安定消費を支えています。

参照元:NEWSCAST「日本プロバイオティクス市場は2033年までに186.1億ドルに急拡大し、腸の健康に革命を起こすと予測、機能性食品、栄養補助食品、個別化栄養トレンドの革新が原動力」(https://newscast.jp/news/0953332)

R&D投資や規制支援が信頼性と商品力を強化

日本政府による規制枠組みの整備、および企業による研究開発投資が進んでいます。たとえば乳製品や発酵飲料における菌株の技術革新や、その有効性の裏付けを通じた消費者信頼の獲得が、製品浸透と市場拡大を支える基盤となっています。

参照元:NEWSCAST「日本プロバイオティクス市場は2033年までに186.1億ドルに急拡大し、腸の健康に革命を起こすと予測、機能性食品、栄養補助食品、個別化栄養トレンドの革新が原動力」(https://newscast.jp/news/0953332)

以下、実際に活用されているプロバイオティクスの主な種類をご紹介します。

プロバイオティクスの種類

乳酸菌

乳酸菌とは、糖を分解して乳酸を生成する善玉菌です。プロバイオティクスの代表格として知られています。

ラクトバチルス属やビフィドバクテリウム属などがよく知られている乳酸菌の例です。便通の改善、免疫力の維持、アレルギー症状の緩和などさまざまな作用が確認されています。

ヨーグルトや乳酸菌飲料などの食品を通じて手軽に摂取でき、機能性表示食品にも多く採用されています。

酪酸菌

酪酸菌は、大腸で酪酸をつくり出す嫌気性の善玉菌です。Clostridium butyricum(クロストリジウム・ブチリカム)などが代表的です。

酪酸は腸粘膜のエネルギー源となり、腸内バリア機能を高めことが知られています。腸内バリア機能の向上により、炎症や病原菌の侵入を防ぐ働きが期待できます。

また、腸内のpHを酸性に保つことで悪玉菌の増殖を抑える作用も報告されています。腸内フローラのバランス改善へとつながる作用です。便秘や下痢などのトラブルにも有効性が期待されています。

プロバイオティクス食品・サプリ製造のカギは「培養技術」

プロバイオティクス食品やサプリメントを安定的に供給するためには、微生物を大量かつ安定して培養する技術が不可欠です。

たとえば乳酸菌の場合、機能性を損なわずに効率よく増殖できる、温度・pH・培地などの培養条件は重要な研究テーマになっています。

近年は、各社で健康機能を高めるための独自の培養技術や製造プロセスの開発が進んでいます。期待される作用のメカニズム解明も含めた「菌を活かす技術力」が、商品価値に直結する時代となっています。

乳酸菌に強い培養受託会社ならノウハウがなくても製造できる

プロバイオティクス製品をつくりたいが、自社に培養設備や専門ノウハウがないような場合でも、乳酸菌に強い培養受託会社に依頼すれば、企画から製造までスムーズに開発を進めることができます。

近年は、既存株の大量培養だけでなく、企業のオリジナル微生物や要望に合わせた菌株の選定、共同開発への対応ができる技術力と柔軟性を備えた受託先も少なくありません。それら受託会社の多くでは、分離・培地設計・スケールアップ・品質管理まで一貫対応する体制が整備されています。初めてプロバイオティクス製品に着手する企業に対しても、現実的かつ具体的な製品化への道筋を提供することができます。

まとめ

プロバイオティクスは、腸内環境や免疫に働きかける成分として注目されている「生きた微生物」です。近年は、以前に比べてますます食品やサプリメント分野での活用が拡大しています。

自社開発したいものの設備やノウハウがない企業でも、培養受託会社へ委託すれば、スムーズに開発・商品化できます。決して参入ハードルの高い市場ではありません。

以下のページでは、微生物培養の委託先や選び方のポイントを紹介しています。興味のある企業様は、ぜひ参考にしてください。

培養目的で探す
微生物培養受託会社

増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!

工場の写真
※写真提供:池田糖化工業

食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。

 
培養目的別に探す「微生物 培養受託」会社3選

ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。

2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。

「食品用」なら
池田糖化工業
池田糖化工業
引用元:池田糖化工業公式HP(https://www.ikedatohka.co.jp/)
代表的な取り扱い微生物
  • 乳酸菌
  • ビフィズス菌
  • 麹菌
「食品用微生物」培養受託会社
としての強み

食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、長年培ってきたバイオ技術を活かし各種食品用微生物の培養に対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。

対応の柔軟性

製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。

また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。

培養から加工まで
一貫したサービス
「医薬品用」なら
神戸天然物化学
神戸天然物化学
引用元:神戸天然物化学公式HP(https://www.kncweb.co.jp/)
代表的な取り扱い微生物
  • 大腸菌
  • 放線菌
  • カビ
  • 酵母
「医薬品微生物」培養受託会社
としての強み

有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。

対応の柔軟性

培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。

精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。

培養から加工まで
一貫したサービス
「化粧品用」なら
三省製薬
三省製薬
引用元:三省製薬公式HP(https://www.sansho-pharma.com/)
代表的な取り扱い微生物
  • 乳酸菌
  • 酵母
  • 担子菌
  • 麹菌
「化粧品微生物」培養受託会社
としての強み

60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。

対応の柔軟性

植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。

また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。

培養から加工まで
一貫したサービス
 

選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。

①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか

上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。