としての強み
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、長年培ってきたバイオ技術を活かし各種食品用微生物の培養に対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
本ページでは、微生物スクリーニングの概要と歴史、目的や用途、進め方について解説します。研究や産業利用におけるスクリーニングの基本を理解したい方に役立つ内容です。
地球上には膨大な種類の微生物が存在し、その性質は非常に多様です。微生物スクリーニングとは、この中から産業や研究に有用な性質をもつ菌株を選び出すプロセスを指します。いわば「有望な微生物を発掘するための選抜作業」と言えるでしょう。効率的なスクリーニング技術の確立は、研究の発展を大きく左右すると考えられています。
17世紀、レーウェンフックによる微生物の観察を皮切りに、ルイ・パストゥールの自然発生説の否定や、ロベルト・コッホらによる単離・培養技術の発展がスクリーニング研究の基盤を築きました。特に純粋分離法は100年以上たった現在でも有用な手法として知られています。
地球上には10の29~30乗個に及ぶ微生物細胞が存在し、種数は1,000万以上と推定されています。未確認の微生物が数多く存在し、新たな機能を持つ微生物の探索は、今なお重要なテーマとなっています。
※参照元:[PDF]環境バイオテクノロジー学会誌「培養アプローチで切り拓く未知微生物の新機能」 (https://www.jseb.jp/wordpress/wp-content/uploads/14-02-087.pdf)
微生物スクリーニングは、特定の機能や特性を持つ微生物を選び出すために行われます。医薬品、農業、環境、産業プロセスなど幅広い分野で利用され、持続可能な技術開発にも貢献しています。
例えば、抗生物質や酵素を産生する菌株の発見、プロバイオティクスとして利用可能な微生物の探索が挙げられます。発酵食品や農業分野でも、安定的かつ高品質な発酵を実現するためにスクリーニングが不可欠です。ヨーグルトや納豆の製造においては、風味や安定性に適した菌株の選定が重要な役割を果たします。
微生物スクリーニングは大きく「採取・分離」「初期評価」「解析」という手順で進められます。
顕微鏡観察や簡易的な化学反応を用い、菌の形態、色調、成長パターンといった基本的な特性を評価します。
目的に応じて、代謝物の産生能、遺伝子レベルでの特徴、生育条件への応答などを解析し、応用可能な菌株を選抜します。
近年注目されているのが、マイクロ流体技術を用いた「ドロップレットスクリーニング」です。微小な液滴内に微生物を封入し、それぞれを独立した反応場として利用することで、効率的かつ大規模なスクリーニングが可能になります。
この手法は試薬の使用量を大幅に削減しながら高精度な評価を実現でき、シングルセルレベルでの代謝解析や応答評価も可能にしました。従来の方法では見過ごされていた微細な代謝産物の検出にも役立っています。
微生物スクリーニングは今後さらなる進展が期待される分野です。特に「未培養微生物」へのアプローチや、メタゲノム解析・AI技術との連携が新たな可能性を拓くと考えられます。
また、スクリーニングで得られた有用微生物を産業利用へつなげるためには、培養のスケールアップや製品化へのプロセスの整備が不可欠です。研究段階から製造に橋渡しできる専門機関や受託企業と連携することが重要と言えるでしょう。
以下のページでは、微生物培養を受託できる企業と選定のポイントを紹介していますので、参考にしてください。
増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!
食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。
ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。
2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、長年培ってきたバイオ技術を活かし各種食品用微生物の培養に対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。
また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。
有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。
培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。
精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。
60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。
植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。
また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。
選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。
①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか
上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。