としての強み
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
ここでは、微生物の「濃縮」に対応している受託会社について、各社の特徴や基本情報をまとめました(※)。また、濃縮の加工技術について、必要な設備や工程、加工目的などを解説。微生物培養受託会社へ濃縮加工の依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
受託会社選びでは、目的に応じた強みがあるのかが重要なポイントとなります。このサイトでは、「食品用」「医薬品用」「化粧品用」と、微生物培養を3つの目的に分け、それぞれの分野で強みを持つ受託会社を紹介。
下記のボタンから紹介ページが確認できますので、目的に合う受託会社選びにご活用ください。
濃縮すると、発酵効率が向上します。微生物が高密度に集積するため、発酵プロセスが加速するのです。製品の生産性が大幅に向上します。特にヨーグルトやチーズの製造においては、乳酸菌の濃度を高めることで発酵時間が短縮します。
発酵プロセスが加速するということは、製品の生産時間を短縮できるということです。たとえば、パンの製造においては、酵母の濃度を高めることで発酵時間を短縮し、パン生地の発酵にかかる時間が減少することで、生産効率が向上します。より多くのパンを短時間で製造できるようになります。
特定の微生物を濃縮することで、食品中の風味成分や栄養素の生成が促進され、製品の品質が大幅に向上します。たとえば、味噌や醤油の製造においては、麹菌の活性を高めることで、旨味成分の生成が増加します。より深みのある豊かな味わいを持つ製品を作ることが可能です。また、発酵過程で生成される様々な栄養成分も増加し、栄養価の高い製品を生み出すことができます。消費者により魅力的で価値の高い製品を提供することができます。
有益な微生物を濃縮することで、食品中の有害微生物の増殖を効果的に抑制し、保存期間を大幅に延ばすことができます。特に漬物の製造において、乳酸菌を高濃度で含ませることで、強い酸性環境を作り出し、腐敗菌の活動を抑えることができます。自然な防腐効果が得られ、化学的な保存料を使用せずに製品の貯蔵寿命を延長できます。より安全で長期保存可能な食品を提供でき、食品ロスの削減にも貢献します。この方法は伝統的な保存技術を現代に活かす好例といえます。
微生物を濃縮することで、発酵のばらつきが大幅に減少し、製品の品質を均一に保つことができます。ロットごとの品質差をできるだけ小さく抑え、消費者に安定した品質の製品を提供することが可能です。均一な発酵プロセスは、風味、テクスチャー、栄養価などの製品特性を一定に保つのに役立ち、ブランドの信頼性向上にもつながります。また、製造工程の管理が容易になり、品質管理コストが削減します。高品質な製品を安定して市場に供給できるようになります。
特定の微生物を高濃度で使用することで、従来品とは異なる独特の風味や食感を持つ新しい発酵食品の開発ができるようになります。製品ラインナップの多様化が図れ、市場競争力の向上が期待できます。たとえば、通常とは異なる発酵プロファイルを持つヨーグルトや、より複雑な味わいを持つチーズなど、消費者の興味を引く革新的な製品を生み出すことが可能です。企業の製品ポートフォリオが拡大し、新たな市場セグメントへの参入や、既存市場でのシェア拡大につながる可能性があります。
濃縮方法には、「遠心分離法」「膜分離法」「凝集沈殿法」「磁気分離法」「光濃縮技術」の5つがあります。微生物の種類や利用の目的、試料の性質に応じて適切な方法を選択することが大切です。
遠心分離法は、試料を高速で回転させ、強力な遠心力を利用して微生物を沈降させる方法です。遠心力により、密度の高い微生物は試験管の底に沈殿し、上澄み液と分離されます。この過程で、微生物を含む沈殿物を効率的に分離・濃縮することができます。迅速かつ効果的な微生物濃縮方法として、様々な発酵食品の製造プロセスで広く活用されている方法です。
試料を微細な孔を持つフィルターや膜を用いて物理的に分離・濃縮する技術です。この方法では、精密ろ過(MF)や超ろ過(UF)などの技術が利用され、特定のサイズの微生物や粒子を効果的に捕捉します。試料が膜を通過する際、微生物は膜の表面で留まり、上澄み液から分離されます。微生物を高濃度で濃縮しながら、有用成分を透過液側に回収することが可能です。
微生物を効率的に濃縮する方法です。無機または高分子の凝集剤を試料に添加し、微生物を凝集させて大きなフロック(凝集体)を形成します。形成されたフロックは重力によって沈降し、上澄み液から分離される仕組みです。この方法は、特に排水処理や発酵食品の製造において、微生物の回収率を向上させるために広く使用されています。低コストで省エネルギーな手法としても評価されています。
磁気分離法では、磁性体粒子を試料に添加し、微生物を吸着させます。その後、磁石を利用して吸着した微生物を分離・濃縮します。特に、遠心分離や膜分離を必要とせず、低コストで実施できる点が大きな利点です。この手法は、簡便で省エネルギーなため、さまざまな分野での微生物回収に適しています。また、微生物を生菌として回収できるため、品質保持にも寄与します。
光濃縮技術は、光を利用して微生物を特定の場所に集積させる革新的な方法です。液体サンプルにレーザー光を照射し、マイクロバブルと熱による対流を発生させることで、微生物を効率的に濃縮します。光照射により微生物が集まるため、従来の方法に比べて迅速かつ高感度な検査が可能です。さらに、遠心分離や膜分離を必要とせず、低コストで実施できます。食品検査や医療分野での応用が期待される技術です。
濃縮技術は食品業界で多様に活用され、製品の品質向上や効率的な生産を実現しています。例えば、膜分離法や蒸発濃縮法は、果汁や乳製品の濃縮に利用され、熱に敏感な成分を保ちながら水分を除去します。風味や栄養価を高めることが可能です。また、凝集沈殿法や磁気分離法は、微生物の効率的な濃縮を実現し、食品の安全性確保にも寄与しています。さらに、新たな光濃縮技術は迅速な微生物検査を可能にし、食品の衛生管理を強化します。消費者に高品質で安全な食品を提供するために不可欠な技術です。
食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、長年培ってきたバイオ技術を活かした微生物培養を強みとしている企業です。培養のほかにも、菌体や培養液の濃縮や乾燥・粉末化、パッケージングなども対応が可能。遠心分離装置や膜濃縮装置等を使用して、菌体や培養液の濃縮も行っています。
対応微生物/設備・技術
乳酸菌、ビフィズス菌、麹菌など/培養槽(30L、200L、1kL、7.5kL、10kL)、連続殺菌機、遠心分離装置、加圧濾過機、限外濾過装置、凍結乾燥装置など。濃縮、乾燥/粉末化、包装、製造条件検討まで対応可能。・オリジナル菌株の培養:〇
・オリジナル菌株の開発:〇
対応微生物/設備・技術
酵母、乳酸菌など/90Lタンクによる液体培養、送風乾燥、凍結乾燥、荒粉砕器(カッターミル)、微粒粉砕器(マスコロイダー)、液体培養、麹作成など。培養だけではなく、濃縮や有機溶媒抽出といった受託にも対応。・オリジナル菌株の培養:〇
・オリジナル菌株の開発:記載なし
サンエイ糖化は、ぶどう糖、デキストリン、乳酸菌・ビフィズス菌の3種類を製造している会社です。その中でも乳酸菌に関する研究は設立当初からスタートし、現在は受託培養を主な事業として展開しています。長年にわたり蓄積された技術と経験をもとに、凍結乾燥機や噴霧乾燥機を使用し、微生物の粉末乾燥化、濃縮などの受託も行っていることが特徴です。
対応微生物/設備・技術
乳酸菌、ビフィズス菌など/培養タンク(仕込み容量1KL、4KL、9KL)、膜分離機、遠心分離機、凍結乾燥機、噴霧乾燥機、凍結濃縮液用自動充填機、X線異物検査装置など。生菌粉末、殺菌(加熱処理)粉末等の製剤化のほか、凍結濃縮液(スターター)や発酵生産物(培養液)の回収も対応可能、数100L規模の培養も相談可能。・オリジナル菌株の培養:記載なし
・オリジナル菌株の開発:記載なし
秋田今野商店は、昭和18年に創業して以降、種麹と総合微生物スターターメーカーとして、有用微生物の製造販売や醸造食用品機器と資材販売を行っている会社です。種麹を中心に、酵母菌や乳酸菌など多種多様の微生物を取り扱っています。凍結乾燥装置を活用した微生物の凍結乾燥、濃縮にも対応可能です。
対応微生物/設備・技術
種麹、酵母菌、乳酸菌など/超遠心機、インキュベーター、分光光度計、凍結乾燥装置など。各種酵素活性分析や糖分析、アミノ酸分析などの分析や少量培養からタンク培養まで対応、株菌の改良と変異株の取得など。
・オリジナル菌株の培養:〇
・オリジナル菌株の開発:〇
コスモは、食とテクノロジーを通じて健康と豊かな暮らしを実現できる商品づくりとサービスの提供を行う企業です。微生物の培養においては、企画の段階から相談対応が可能で、小規模でのテスト製造を実施します。実機試製を経て量産し、ノズル式スプレードライヤーや粉末ブレンド設備による粉末乾燥化、濃縮などの加工に対応していることは特徴です。
対応微生物/設備・技術
乳酸菌/GLおよびステンレス反応缶、培養タンク、減圧濃縮装置、脱塩装置、ノズル式スプレードライヤー、粉末ブレンド設備、液体調合充填設備、横型フィルタープレス・分離膜などの固液分離設備など。包装まで可能な設備が整っている。
・オリジナル菌株の培養:〇
・オリジナル菌株の開発:〇
合同酒精は、長年にわたる酒類事業を通じて培ってきた発酵技術を用いて、酵素や診断薬の製造、微生物の培養受託に対応している企業です。専門の自社工場により研究開発、生産、販売まで一貫したサポートが受けられます。培養においてはスケールアップや、乾燥機による微生物の乾燥粉末化、濃縮などの加工に対応していることが強みです。
対応微生物/設備・技術
乳酸菌/培養タンク30L~60kL、連続遠心機、フィルタープレス、MF/UFろ過機、減圧濃縮機、乾燥機(SD、FD)など。ISO、医薬品GMPの品質要求レベルに対応できる発酵設備、精製設備などの環境下で培養が可能。
・オリジナル菌株の培養:〇
・オリジナル菌株の開発:記載なし
ヤヱガキ醗酵技研は、昭和に創業してから長年にわたり機能性食品素材及び着色料、加工食品原料の製造並びに販売を行っている企業です。これまで培ってきた発酵技術と先端のバイオテクノロジーを融合させて、微生物の持つ可能性を引き出すことに力を入れています。新たな領域として、健康食品や化粧品、再生医療などの分野にも展開が期待できるでしょう。
対応微生物
乳酸菌、酵母、麹菌、担子菌など
・オリジナル菌株の培養:記載なし
・オリジナル菌株の開発:記載なし
大曾根商事は、1958年に創業してから長年にわたり乳酸菌をはじめとする有用微生物の製造、サプリメント・化粧品・医薬品の製造を行っている企業です。少量や難易度の高い試作や製造を受注しています。独自の技術による無菌の環境下での製造や菌数増加の技術があり、培養からフリーズドライ、濃縮、パッケージ、製造販売まで一貫した対応が可能です。
対応微生物/設備・技術
乳酸菌/150L・300L・1000L・3600L・10000L培養槽、連続式遠心分離機による高精度な遠心分離、無菌の製造。菌数増加技術、培養検討、総菌数測定も可能。
・オリジナル菌株の培養:記載なし
・オリジナル菌株の開発:記載なし
増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!
食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。
ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。
2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。

食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、各種食品用微生物の独自株や特殊条件の培養にも対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。
製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。
また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。

有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。
培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。
精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。

60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。
植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。
また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。
選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。
①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか
上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。