微生物培養受託会社を探せる-バイオ受託ラボ-
微生物培養受託会社を探せる-バイオ受託ラボ- » 微生物の培養を依頼する際知っておきたいこと

微生物の培養受託会社を探すとき知っておきたい注意点は?

微生物の培養受託サービスを選ぶ際、予算に合った費用で依頼できるのか、コンタミ(異物混入)のリスクはないかなど、押さえておきたいポイントがいくつか考えられます。

信頼できる会社を選ぶための参考として、それぞれの要素を確認しましょう。


また、ミスマッチを防ぐためには「目的に合った強みを持っているか」をポイントに選ぶことも重要です。以下のページでは、「食品用」「医薬品用」「化粧品用」と、微生物培養を3つの目的に分け、それぞれの分野で強みを持つ受託会社を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

目的別に
微生物培養受託会社を探す

目次
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培養受託サービスの費用

微生物の培養受託サービスの費用相場とはどのくらいなのでしょうか。実用化に向けた開発・製造においては、必要なコストとして固定費や変動費があります。固定費は設備費や人件費、管理費などがあり、変動費は原材料費などが挙げられ、それらをもとに生産コストを割り出すことが可能です。

培養受託サービスの費用について、下記で詳しく見てみましょう。

コンタミ(異物混入)を防ぐには?

微生物の培養をする際に、目的以外によって培養が汚染されるコンタミネーションは注意が必要です。コンタミは多くの研究現場で起こる問題ですが、完全に防ぐことは難しいとされています。なぜなら、汚染の原因となる物質は目視できないことや、視覚的な感染兆候がなく研究が進んでから発覚することがあるからです。

コンタミを可能な限り防ぐためには、培養から加工まで一貫した体制をとっているなど、適切な品質管理ができる設備と体制が整っている会社に依頼することが大切です。さらに詳しい内容は、下記で確認してみてください。

情報漏洩を防ぐには?

製造業における情報漏洩リスクは、他の業種と比べて高い傾向にあります。理由としては、会社経営に直結する重大な情報資産を管理しているからです。ハッカーやライバル会社によって情報資産が狙われる中、情報を守るためには外部や内部からの脅威への対策が必要になります。

委託先を選ぶ際は、契約形態や製造の流れなどをしっかりと契約書で交わし、情報管理について双方で確認することが大切です。製造業のセキュリティインシデントの特徴や対策方法について、さらに詳しく見ていきましょう。

OEMのメリット・デメリット

微生物培養の受託会社では、一貫した生産体制が整っている会社やOEMに対応している会社があります。OEMを依頼することで、依頼側には生産コストや人的コスト、供給の安定性などのメリットが挙げられるでしょう。ただ、メリットだけではなくデメリットもあるため、両方の面で検討しておくことが大切です。

想定外のトラブルを防ぐため、OEMのメリットやデメリットを詳しく見ていきましょう。

ODMのメリット・デメリット

ODMメリットにはコスト効率の向上、専門知識と技術の活用、品質管理の向上、迅速な市場投入が含まれます。一方、デメリットとしてはコントロールの欠如、依存度の高さ、コミュニケーションの課題、品質保証のリスクが挙げられます。また、成功事例と失敗事例を通じて、ODMパートナー選定の重要性と品質管理の必要性を強調しています。最終的に、適切な戦略とパートナー選びが成功の鍵となります。

ODMとOEMの違い

食費用微生物培養におけるODM(Original Design Manufacturing)とOEM(Original Equipment Manufacturing)の違いについて説明しています。ODMは設計から製造までを一括して請け負う生産方式であり、高いカスタマイズ性と迅速な市場投入が可能です。一方、OEMは他社が設計した製品を製造する方式で、高品質な製品を大量生産できます。企業がODMまたはOEMを選ぶ際の考慮点も紹介。

OEMでオリジナル培養した微生物の特許権は?

オリジナル微生物をOEMで開発した場合、その微生物の特許権はどちらに帰属するのでしょうか。オリジナル微生物や、製造に関するノウハウの知的財産権について解説します。

食品衛生法に基づく微生物管理の重要性

食品市場に多く流通する乳酸菌・酵母などの微生物を活用した食品。消費者の健康・美容増進への期待が高まり、こうした食品が大変人気です。消費者を健康被害から守り、安心できる製品を提供し続けるためには、製造工程における適切かつ厳格な管理が必要であることも忘れてはいけません。

製造者は食品衛生法に基づく正しい微生物管理法を理解し、適切に実行する必要があります。

微生物培養におけるHACCP

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:ハサップ)とは、食品の安全性を確保するための衛生管理手法です。乳酸菌や酵母を培養する工程でも、原料受け入れから最終製品の検査に至るそれぞれの段階において、適切な管理を行うことが求められます。微生物培養の委託先を選ぶ場合には「HACCPやGMPに対応している工場か」、「トレーサビリティ管理がしっかりと行われているか」といった点をあらかじめ確認しておくことが大切です。

ハラール認証とは?食品輸出の市場動向を解説

ハラール認証は、イスラム法に基づく厳格な基準を満たす食品に与えられ、原料選定から加工、輸送まで全工程で安全管理が行われています。認証取得により、企業は信頼性や国際競争力を高め、グローバル市場での展開が促進されます。
また、微生物培養技術においても最新の管理体制が求められ、安全性が確保されるため、企業と消費者双方に安心と信頼をもたらす重要な取り組みです。

GMPを適用した微生物培養の必要性

乳酸菌や酵母などの微生物培養において、GMPを適用することは大変重要です。微生物培養は食品やサプリメントとして、最終的に消費者の健康に影響するので、GMPに準拠した厳密な管理が求められます。GMPが必要な理由やメリット、適用のポイントなどを解説します。

紅麴から学ぶ微生物原料の安全強化策

2024年3月、小林製薬が提供していた紅麹サプリメントによって健康被害が発生し、大きな問題となりました。この問題を受け、機能性食品のサプリメントを販売する事業者は、製造や品質管理に関する指針であるGMP(適正製造規範)の認証を取得した工場での製造義務付けに向けた動きが行われています。こちらの記事では、GMPとはどのようなものなのか、被害を起こさないようにするためのGMPのポイントなどを紹介しています。

機能性表示食品制度と微生物の活用

機能性表示食品制度には、特定の保健の目的が期待できる旨を表示できる食品である機能性表示食品のほかに、特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品があります。安全性・機能性の評価を行い、厳しい品質管理をクリアすることが必須です。乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを活用した機能性表示食品など、微生物の活用も進んでいます。新規微生物株の開発が活発化しており、今後も市場拡大と技術革新が期待されています。

プロバイオティクス食品やサプリメントの開発

プロバイオティクスは腸内環境の改善や免疫力の維持など、健康維持に向けた様々な作用が期待されています。近年、食品やサプリメントへの応用が進む中で、自社製品としての開発を検討する企業も少なくありません。
しかしながら、微生物の培養には高度な技術や専用設備が必要になるので、多くの企業では自社単体での開発・商品化にはなかなか踏み込めません。当ページでは、プロバイオティクスの基礎知識から、製造工程における培養技術の重要性、受託会社の活用メリットや選び方までを丁寧に解説しています。開発を成功に導くための参考情報として、ぜひご一読ください。

微生物スクリーニング

地球上には多種多様な微生物が存在し、その性質は驚くほど多様です。その中から産業や研究に有用な菌株を見つけ出す作業が「微生物スクリーニング」です。こちらでは、微生物スクリーニングの概要、歴史、目的・用途、進め方を整理して紹介しています。基礎を押さえたい方や応用事例を知りたい方に参考となる内容です。

増加するハラール需要…
微生物培養受託会社の
取り組みや設備を特集!

工場の写真
※写真提供:池田糖化工業

食品事業で110年超の実績を誇る老舗メーカーが"ハラール専用"工場を稼働予定。
ハラール認証を目指す企業に向けた取り組みや充実の設備を紹介します。

 
培養目的別に探す「微生物 培養受託」会社3選

ここでは、「目的に応じた強み」「対応の柔軟性」「一貫した生産体制」の3つのポイントを基準として選定した、微生物培養の受託会社を紹介。

2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社から、食品用や医薬品、化粧品の目的別に選定した3社を紹介します。

「食品用」なら
池田糖化工業
池田糖化工業
引用元:池田糖化工業公式HP(https://www.ikedatohka.co.jp/)
代表的な取り扱い微生物
  • 乳酸菌
  • ビフィズス菌
  • 麹菌
「食品用微生物」培養受託会社
としての強み

食の中間原料メーカーとして110年以上の歴史と実績があり、長年培ってきたバイオ技術を活かし各種食品用微生物の培養に対応。
ハラール専用工場が稼働予定のため、海外展開を考えているメーカーの大量培養にも対応可能。

対応の柔軟性

製造条件の検討段階でも受託でき、研究開発スタッフによる提案が受けられます。

また、試作の相談も可能で、納得できるまで改良に応じてくれるなど、要望に応じて柔軟な対応をしてくれます。

培養から加工まで
一貫したサービス
「医薬品用」なら
神戸天然物化学
神戸天然物化学
引用元:神戸天然物化学公式HP(https://www.kncweb.co.jp/)
代表的な取り扱い微生物
  • 大腸菌
  • 放線菌
  • カビ
  • 酵母
「医薬品微生物」培養受託会社
としての強み

有機化学品の研究開発企業として、創薬の研究からプロセス開発、商品化までの全てのステージを支援しています。
培地や培養方法といった培養条件を提案するなど柔軟に対応。

対応の柔軟性

培養条件が決まっていなくても、神戸天然物化学から提案が可能です。また、最大5,000Lまでスケールアップができるのも強み。

精製技術など様々な技術を統合して、独自の知見から幅広い要望に応える体制を構築しています。

培養から加工まで
一貫したサービス
「化粧品用」なら
三省製薬
三省製薬
引用元:三省製薬公式HP(https://www.sansho-pharma.com/)
代表的な取り扱い微生物
  • 乳酸菌
  • 酵母
  • 担子菌
  • 麹菌
「化粧品微生物」培養受託会社
としての強み

60年以上にわたる、皮膚科学に基づく美容成分の研究で培った開発力と製薬技術を活かし、化粧品の製造から販売を行っています。
OEM・ODMまで幅広く相談が可能です。

対応の柔軟性

植物や微生物など、さまざまな素材からの化粧品原料開発が可能です。

また、小ロットの依頼やオリジナル化粧品原料の開発から生産まで、幅広く対応できます。

培養から加工まで
一貫したサービス
 

選定条件:2023年7月21日時点、Googleで「微生物 培養受託」を検索した際に公式HPが表示された培養受託会社を次のポイントで精査しています。

①目的に応じた強みがあるか
②対応の柔軟性
③OEMなど一貫したサービスを提供しているか

上記すべての条件を満たす会社のうち、以下の目的別に3社を選定しました。
・「食品用」の微生物培養:池田糖化工業・・・食品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、食品事業として最も創業が古く歴史が長い。
・「医薬品」の微生物培養:神戸天然物化学・・・・医薬品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で唯一、創薬研究からプロセス開発研究、医薬品のGMP製造まで、創薬の全工程において対応している。
・「化粧品」の微生物培養:三省製薬・・・化粧品関連事業を中心に展開している微生物培養受託会社の中で、唯一原料開発からOEM生産まで一貫してサポートしている。